みなさんは『恐怖の味噌汁(きょうふのみそしる)』というお話を聞いたことがありますか?
ただの「みそ汁」ではない『恐怖の味噌汁』のお話をじっくり味わってみてください。
1分で話せる『恐怖の味噌汁(きょうふのみそしる)』
寝坊した男の子が階段を降りて下に行くと、テーブルに朝食が用意してあった。
ご飯、卵焼き、そして味噌汁。
男の子は湯気の立っている『味噌汁』を見て言った。
「今日、麩の味噌汁か」
『恐怖の味噌汁(きょうふのみそしる)』
おもしろ怪談『恐怖の味噌汁(きょうふのみそしる)』(ロングver)
年初めに完成したその家は、一風変わった家だった。
窓が全く無い壁が真っ黒、つまりは『黒い箱』のような家であった。
日の光が全く入らない家…
「いったいどんな人が住むのか」
地元の住民の間では様々な噂が飛び交った。
家が完成してまもなくして、『黒い箱』の住人が引っ越してきた。
両親と高校生の息子の三人家族、見た目はいたって普通の一家であった。
はじめは不審に思われていた一家だったが、三人はいつも笑顔で人当たりがよく、すぐに地元の住民に馴染んでいった。
もちろん、いつまでも悪口をいう住民もいた。
「あの笑顔が逆に不気味だ」と。
けれども時間が経つにつれ、悪口を言っていた住民はだんだんと減っていった。
いつの間にか、どこかへ行ってしまったのだ。
黒い家でのある朝のこと、寝坊した息子がリビングに行くと、テーブルには朝食が用意してあった。
「早く食べなさい。もう…いつまでも洗い物が終わらないわ。」
ちょっと怒ったように母親が言う。早く片付けたかったに違いない。
頭をかきかき息子は席に着き、「いただきます」とつぶやいた後、お椀を手に取った。
まだ温かいみそ汁には、『白くふわりとしたもの』が浮かんでいる。
息子はニッコリと微笑んで言った。
「今日、麩の味噌汁かー」
今日ふの味噌汁…? きょうふの味噌汁… 恐ふの味噌汁…
『恐怖の味噌汁』
本当に怖い『恐怖の味噌汁(きょうふのみそしる)』の続き
「ふふ。あいかわらず、お麩のお味噌汁が好きなのね。味わってちょうだいね。」
機嫌がなおった母親に言われ、息子はゆっくりと味噌汁を口に入れた。
『濃い旨味』が口の中に広がる。いつもの味だ…
「さすがママ。この出汁がたまんないんだよねー。『例のアレ』いれた?」
息子が聞くと、母親は嬉しそうにうなずいて言った。
「ふふふ。あ・た・り。赤味噌との混ぜ具合がむずかしいのよね…人間の…『脳味噌』は…」
一家が引っ越して来た後に、いつの間にどこかに行ってしまった住民たちがいた。
元々地元に住んでいて、いつも一家の悪口をいっていた住民たちだ。
そう、この一家は『悪口をいう住民』をさらって来ては…
日の光が入らない真っ黒な家の中で…ひっそりと殺し…
そして…その死体の脳味噌を…みそ汁に…入れるのである…
これは恐怖の味噌汁…?
そう、
『恐怖、脳味噌汁…』
『恐怖の味噌汁』独自採点(5段階)
- 伝説のネタ度:★★★★★
- ネタ文字数の長さ:★★★
- むりくり度:★
- 恐怖度:★★
- おだしの塩梅:★★★★★
『恐怖の味噌汁(きょうふのみそしる)』とは?
恐怖の味噌汁とは、昭和に流行ったダジャレ怪談
『恐怖の味噌汁(きょうふのみそしる)』とは、昭和に流行ったおもしろ怖い『ダジャレ怪談』です。
私は小学生の時に、高校生のお兄さんに聞きました。
恐怖の味噌汁の元ネタは、ラジオ番組の投稿ネタ?!
調べたところ元ネタは、ラジオの「鶴光師匠のオールナイトの『驚き桃の木ビックリ話』」という番組の投稿ネタらしいです。実際に聞いたことはないのですが、ネットでは懐かしむ記事が多数上がっていました。
怖さを感じさせない『味噌汁』だからこそ面白い
誰でも知っている『味噌汁(みそしる)』に『恐怖(きょうふ)』という言葉が合わさっただけで、ちょっとした面白さが出ると思います。考えてみれば、味噌汁ってぜんぜん怖くないですからね。
今回は、小学生の時に聞いた『恐怖の味噌汁(きょうふのみそしる)』のオチをもとに、自分でお話を作ってみました。
時短バージョン、ロングバージョン、そしてオチのその後のお話として『本当に怖い恐怖の味噌汁』を作ってみましたが、いかがでしたでしょうか?
『悪魔の味噌汁』ではない。
『悪の十字架(あくのじゅうじか)』とならび、『恐怖の味噌汁(きょうふのみそしる)』はダジャレ会談の中でも特に有名なお話です。
そのためか、『悪魔の味噌汁』と勘違いしている人がいるみたいです。
「恐怖の味噌汁の話をして」と言われたら、ぜひ読んでみてあげてください。