「ジュンジ!気をつけろ!なんかブンブンいってるぞ!」
神社へと向かう道を走りながら、タクオは叫んだ。
あることを確認するために出かけたジュンジとタクオだが、神社に向かう途中でうっかり地蜂の巣を踏んでしまったのだ。
怒った蜂たちがものすごい羽音をさせ、二人を追いかけてくる。
二人は必死に走り、神社前の石段の下までやって来た。
二人は無言で石段を見上げる。
この石段は『死の100段』といわれており、一気に駆け上がることはまず不可能である。
しかし後ろからは蜂の大群が迫って来ており、石段を登るしか逃げ道はない…
絶望的な気持ちで二人が一歩目を踏み出した途端、急に怪しい気配があたりを包み込んだ。
ひんやりとした空気が漂いはじめる…
直後に背中に強烈な“何か”を感じ、慌てて二人が振り向くと、そこには神官白衣に身を包んだ神主が立っていた。
不思議なことに、怒り狂っていた蜂の大群は1匹たりとも見当たらない。
「小僧ども、危なかったな。神社には近づくなと街には伝えておいたがの。何か急ぎの用事か?」
神主は表情を変えずに二人に聞いた。
ジュンジとタクオは目配せをしあっていたが、やがてタクオが覚悟を決めたように口を開いた。
「例の集まりは…こ・今年はやらないのでしょうか!?」
神主はしばらく黙って二人を交互に見つめていたが、「ふむ」と鼻を鳴らして答えた。
「…仕方ない。黙っておれよ。…一日じゃ。八月一日、祭りじゃ。」
八月一日、祭り…? はちがつついたち祭り… 蜂がつついたち祭り…
『蜂がつついた血祭り』
協会による独自採点(5段階)
- 伝統のネタ度:★
- ネタ文字数の長さ:★★★★
- むりくり度:★★★
- 怖い度:★★★★
- 蜂の巣のクオリティ:★★★★★

