「とうとう、これを使う時が来てしまったか…」
ここはK県Y市にある研究所。
ガラス器具が並ぶ実験室でS博士はつぶやいた。
時間はすでに深夜2時。3人の助手はそれぞれ休憩室で眠ってしまった。
実験室にはS博士だけしかいない。目の前には夜食が並んでいる。
しかしS博士は浮かない顔で、『これ』を見つめるばかりであった。
この間、研究所の重要な実験データが盗まれた。今年に入って2回目である。
いろいろ調べたが、誰が犯人かわからなかった。野放しである。
今日は重大な実験を行ない、またもや素晴らしい研究データが出来上がった。
放っておいて犯人に盗まれたら大変なことになる。
そこで博士が実験室のキッチンで、こっそり見張っていたのだった。
S博士は手に持っていた『これ』と呼んだ液体を瓶からガラスの容器にうつした。
そして匂いを嗅ぎ、ほんの少しだけ匙にすくった。
匙をゆっくりと口元に持っていき…S博士は液体を舌の上にそっと乗せた…
「すっぱいわ!この酢!!」
すっぱいわ!この酢!!…? スッパイはこの酢… スッパイはころ酢…
『スパイは殺す』
協会による独自採点(5段階)
- 伝統のネタ度:★★★
- ネタ文字数の長さ:★★★
- むりくり度:★★★★
- 怖い度:★
- すっぱさ:★★★★★

