「ポヨ美しってる?例の病院のうわさ。水無病院。」
宿題に集中できないケメ子が、ポヨ美に話しかける。
ポヨ美は、顔もあげずに首を振った。
「知らない。水無病院なんて知らないし。どこにあんの?」
「ほら。日向通りの奥にある…あー、最近できた、変な人形のある激辛ラーメン?みたいなお店の隣。結構大きい、ふるーい病院のことよ。」
「……変な人形のある激辛ラーメンのお店?…そのお店ってさ…」
急に顔を上げたポヨ美の目が、爛々と光っている。
「オープンから一週間、私がずっと通い詰めている、
『辛さは旨さのエレベーター、百倍辛いは万倍うまい』のポスターで、
2021年・2022年の『旨辛ラーメンシンフォニア』で連続優勝した、
お店の入り口にある『ハバネロゴブリン様』の人形が有名な、あの、
『魔麺神辛学園』のこと!?」
激辛好きのポヨ美のテンションに若干引きながらも、ケメ子は話を続ける。
「そ、そう。た、確かそんな名前のラーメン店。その隣の病院のこと。
ママに聞いたんだけど、あそこの病院って『手遅れの怪我人』や『死にそうな人』をわざと集めてるんだって。
それで、その人たちが死んじゃったら、勝手に取っちゃうんだって。」
「取っちゃう?取っちゃうって…なにを?」
ポヨ美が尋ねると、ケメ子は囁くような小声で言った。
「心臓とか、胃とか、死んだ人の内臓。…なんでだかわかる?」
ポヨ美はしばらく考え込むような顔をしていたが、みるみる顔色が悪くなり、お腹の辺りを手で押さえはじめた。
そして死んだような目をしながら、ブツブツ何か呟き始めた。
「ど、どうしたの!?ポヨ美。目が、目がいっちゃってるよ!!」
あわてるケメ子。
けれどもポヨ美は呟き続ける。
「減っ…したい…じ…に」「減っ…したい…じ…に」
「え?何?なんなの!!」
必死にたずねるケメ子にむかって、ポヨ美はボソリと呟いた…
「お腹減った…
…したい、辛い食事。この後に。」
…
したい、辛い食事。この後に…?
したいからい食じこの後に…
したいから、いしょくじ故のあとに…
『死体から移植、事故の後に。』
ダジャレ怪談協会による独自採点
- 伝統のネタ度:★★
- ネタ文字数の長さ:★★★★
- むりくり度:★★★
- 怖い度:★★★★
- 辛さ:★★★★★★★
